一般・公益社団法人等の設立と法人税
2019年10月1日、自動車に関する税が大きく変わります。
はじめに
旧社団法人・財団法人の制度が2008年に改正され「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(一般法人法)、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」(以下、公益認定法という。)等に制度が変更されました。
改正後は、一般社団法人等は、その設立の際の行政庁の許可が不要となり、手続きが簡略化されたことにより、見かける機会が増えたのではないでしょうか。
★ 一般・公益法人等の区分
税務(法人税) | 法務 | ||||
---|---|---|---|---|---|
3階 | 収益事業課税 | 公益社団法人・公益財団法人 | 2階 | 公益社団法人等 | |
2階 | 非営利型法人 | 1階 | 一般社団法人等 | ||
非営利徹底型 | 共益活動目的型 | ||||
1階 | 全所得課税 | 営利型法人 | |||
株式会社等を含めた普通法人と同じ扱いを受け、すべての所得に対して法人税を課税 |
★ 設立の要件
一般社団法人 | 一般財団法人 | |
---|---|---|
出資金 | 不要 | 300万円~ |
発起人(社員) | 2名~ | 1名(出資者) |
役員 | 理事1名~ | 理事3名~ |
監事1名~ | ||
評議員 | 不要 | 評議会 |
任期 | 理事2年 | 理事2年 |
理事4年 | 理事42年 | |
評議員4年~6年 |
公益社団法人等は、行政庁から公益認定を受けたものをいいますが、「公益性」と「非営利性」の2つの要件を備えていないと認定されません。
「公益性」とは、不特定多数の者への便益の供与など、その概念は主観的なものですので、公益認定法では、その事業内容を23項目に限定し、これをクリアしないと認定されないことになっています。
「非営利性」とは、利益を目的としていないと思われる印象ですが、剰余金配当請求権と残余財産分配請求権を有しないという意味です。
非営利型法人の非営利性を厳格化し、さらに公益性を加味して公益認定基準を満たした場合に、公益法人等にシフトアップすることになります。
一般社団法人等の非営利型法人は、公益法人等が公益性を求められるのに対し、非営利性が徹底的に要求されています。
- ① 配当と残余財産分配の排除
- ② 私的利益享受の禁止
- ③ 理事構成人員への親族制限
が設けられています。詳しい要件については、法人税施行令3条(非営利型法人の範囲)に規定されています。
★ 注意点
① ② ③は、内部で合意さえ取れれば、違法ではないのですが、例えば理事を1名で設立すると、親族要件(*1)から外れることになり、営利型法人となり、法人税は全所得課税となります。
また、営利型法人が非営利型法人の全ての要件に該当すれば、手続きはなく非営利型法人となり、非営利型法人が要件の一つでも該当しなくなった場合には、手続きなく営利型法人として全所得課税の対象法人となります。
この場合は、該当しなくなった日の現況をもって判定され、該当しなくなった日から事業年度終了の日までを1事業年度をみなし、今まで蓄積した非収益事業に係る所得に対して一気に法人税が課税されることになります。
*1→各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること
★ 収益事業の範囲
公益法人等・非営利型法人は、収益事業のみに課税されますが、法人税施行令5条(収益事業の範囲)にいわゆる34業種の収益事業が規定されています。
実務では、この収益事業の判断で悩ましいケースがあり、継続反復的な行為か、対価性のない取引かなどが基準となりますが、その判断は難しいものとなっております。
また、収益事業に係る費用の算定についても、その抽出作業は手間がかかるものとなっております。
主な収益事業の判定に関する税務訴訟として、学校法人が、製薬会社から収受した金員を寄付金収入としていたが、治験に係る対価とし認定し請負業として法人税が課税された事件、宗教法人がペットの葬儀は宗教的儀式で非収益事業としていたが、料金表が設定されており、請負業にあたるとして法人税が課税された事件などがあります。