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会社設立の税務面でのメリットとデメリット

一念発起して起業することを決断した方が最初に思い悩むことが、ビジネスを個人事業として行うか、会社を設立して法人として行うか、という点でしょう。 一般的には、会社設立は設立に伴う手間やコストがかかるといったデメリットがある反面、社会的信用が高まり、融資や雇用の際に、または営業面でも有利に働くといったメリットがあると認識されています。

ここでは、個人事業との比較で見た、会社設立をした場合の主な税務面でのメリットとデメリットを挙げていきたいと思います。

<会社設立によるメリット>

法人税率が一定である。

個人事業主に課される所得税は所得が大きくなるほど税率が上がるいわゆる「累進税率」となっています(最大45%)。これに対し、会社に課される法人税は、23.2%(平成30年4月以降開始事業年度より)と一律であり、何億利益が出ても、この水準での課税しか行われません。事業の拡大や新規投資を想定されている事業主にとっては大変有利です。

〇法人所得を個人に分散することができる。

税額計算において、個人事業のみのケースでは、基礎控除等、個人の所得に係る控除しか期待できませんが、会社を設立したケースでは、役員に対する給与も経費(損金といいます)となる上に、当該給与総額から給与所得控除という別の控除をとることができます。また会社の場合、従業員という形態だけではなく、役員という形態で親族を事業に関わらせることができますので、給与支給により法人所得を分散させ、この個人にかかる所得控除をより多く活用できる可能性が高くなります。

退職金支給による節税が可能となる。

個人事業ではできない役員に対する退職金の支払いが可能になります。退職金は支払う際に法人の損金となる上、受け取る役員にとっても、給与・賞与と比べて所得税が有利に計算されますので、全体として大きな節税効果が見込めます。

欠損金(損失)の繰延べ期間が長くなる。

結果として事業が赤字だった場合、個人事業の場合もその損失を繰り越し、将来の所得から差し引くことができます。ただし、繰越しができる期間は3年に限られています。これに対し法人の場合、10年まで繰越欠損金として繰り越すことができます(平成30年4月以降開始事業年度より)。

<会社設立によるデメリット>

●赤字でも支払い義務のある税金がある。

もし事業が赤字であった場合、個人事業にかかる所得税は発生しませんので、納付はありません。会社の場合、国税である法人税は同様に課税されないのですが、法人住民税のうちの均等割という税額は赤字であっても法人に納付義務が生じます。

●決算および申告にかかる手間が増える。

直接納税額に関わる内容ではありませんが、個人事業に比べて会社の場合、会計帳簿の整備を始め、経理や税務に関わる事務負担が大きくなり、これに比例して人件費や専門家報酬等のコストも一般に高くなります。

ところで、会社設立をすると決められた後、設立する会社を株式会社にするか、合同会社にするか、という選択も行う必要があります。一般に、会社規模の拡大を目指され、営業面での有利性を得たいということであれば株式会社、事業規模が比較的小さく、拡大を想定していない場合は合同会社、などといった基準で判断されることになります。
この両者の選択について、税務面での差異はありません。適用される税率も所得計算の基準も同じです。したがって、基本的に他の判断材料でご選択いただくことになります。

会社は設立にも維持にも一定の手間とコストがかかりますが、ビジネス上多くのメリットをもたらします。起業に当たっての事業計画を踏まえながら慎重にご判断いただければと思います。