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法人税対策

法人税を支払うことは会社の義務であり当然のことです。会社がその事業年度において努力を重ね利益を生み出したからこそ、これに対して法人税が発生するのです。

一方で会社は事業を安定的に継続させ成長させることを求められます。もし納めるべき法人税を最小限に抑えることができれば、人材投資や設備投資などを通じ、会社の持続的成長を一層充実させることができるかもしれません。法人税対策は経営者にとって重要な課題の一つに位置づけられると言えましょう。

「納める法人税を最小限に抑える」=「会社利益を縮小する」ことです。このために有用と考えられる主な対策を以下に挙げてみます。

1. 当期の対策 - 期末にかけて検討できるもの

1.1. 減価償却方法の見直し

損金として処理できるものを固定資産として計上していないか確認します。
中小企業者(原則として資本金1億円以下の法人)は、30万円未満の減価償却資産を購入年度に一括して損金処理することが可能です(少額減価償却資産の特例)。
また、中小企業者以外でも10万円以上20万円未満の資産は一括償却資産として3年にわたって均等に償却することが可能です。

1.2. 保険や共済の活用

万が一の事故に備えるために火災保険や傷害保険に加入した場合に支払う保険料は基本的に損金として処理することができます。

この他、有効な節税対策として、生命保険や共済を活用した役員退職金制度を設計することも検討に値します。
具体的には、解約返戻金のある生命保険等に会社が加入して保険料の全部または半分を毎期損金処理し、役員が退任する段階でこれを解約し役員退職金の原資とします。
退職所得は通常の給与所得よりも所得税の計算が優遇されており、会社および役員全体での節税が見込めます。

解約返戻金のある生命保険等はこのように返戻金を受け取った際に法人の益金となるため、上述の退職金制度や設備の更新投資の原資とするなど、単なる課税の先送りとならないよう、事前に解約時の計画をしっかり検討しておく必要があります。

1.3. 不良債権の見直し

資産として計上している売掛金や貸付金のうち、今後の回収見込みが薄いものについて貸倒損失として損金処理できるか検討します。
このために、債務者の財政状態や法的手続きの有無、督促の状況などを確認しておく必要があります。

1.4. 前払費用の特例の活用

保険料や家賃など月払いで支払っている費用について年払いに変更することにより、本来前払費用として期末に資産計上すべき支出について、一括して当期の費用として処理することが可能となります。(向こう1年分の費用のみ、かつ払込み方法を変更した初年度のみに適用が可能です。)

1.5. 在庫及び固定資産の評価見直し

期末の貸借対照表に記載されている商品在庫や固定資産について、既に市場価値が無く販売できない商品や使用していない固定資産があれば評価損や除却損を計上できます。損金処理できるだけではなく、今後の管理工数の軽減にもつながります。

2. 翌期以降の対策 - 翌期初までに検討するもの

2.1. 役員報酬の見直し

役員報酬は「不相当に高額」でなければ損金として処理が可能です。ただ期中に役員報酬の金額を変更することは原則として認められず、定時株主総会等の決議を経て年に1度だけ改定することになります。

このように融通の利かない費用ですので、決算終了後に翌期の見通しと照らし合わせ、利益の増額が見込めるようであれば役員報酬を増額させて損金処理できる範囲を広げておくといった事前の計画が重要となります。

2.2. 消費税の課税方式の見直し

会社が申告納付する税金としては法人税の他に消費税があります。消費税の課税事業者となった初年度などは、消費税の納付が意外と大きな負担になると感じられるかもしれません。

消費税の課税方式には原則課税と簡易課税の2種類の制度があり、業種や状況によっては課税方式を変更する方が有利な場合があります。
ただし、簡易課税制度の選択にあたっては次の制約があるため、前もって翌事業年度以降の収益見通しを確認のうえ、有利不利を検討する必要があります。

  • 前々事業年度の課税売上が5000万円以下でないと適用できない。
  • 適用する事業年度が開始する前までに届け出る必要がある。
  • 一度適用すると2年間継続する必要がある。

ところで消費税に関しては、輸出業者等売上の多くが免税売上である場合や、会社設立初年度に大きな設備投資が行われる場合など、免税事業者であってもあえて課税事業者となることを選択する方が有利となる場合もありますので、この点も検討する必要があります。

法人税対策は会社で営まれる業種や規模により、また検討する時期により、採用できる方法は異なってきます。会社の財務状況等を常に気に掛ける姿勢が重要となります。
また、当然ながら法人税対策は税法等に則った適切な方法で行わなければなりません。制度内容を十分に理解し、税制改正等に気を配ることも求められます。